2016年11月3日木曜日

筋肉をつけるための食事

こんにちは

理学療法士のSAKURAです。

現在、通所介護事業所で機能訓練指導員として務めていますが、そこでよく聞かれるのが

「筋肉をつけたい」ということです。

「筋力」をつけたいという意味で「筋肉」と言っている利用者さんもいますし、やせ細った体を自分で見たときに情けなくなった経験から「筋肉」をつけたいと言っている利用者さんもいます。

男性・女性どちらも、「筋肉」をつけたいと希望される方が多いので、運動・トレーニングは提供できますが、食事面での「たんぱく質」の摂取が無いと、なかなか結果に結びつきません。

そこで、今回は「筋肉をつけるための食事」を調べてみました。


食事の必要性

トレーニング中は、多少なりとも筋肉が分解されることは避けられません。
そして、トレーニングを止めると、より分解速度が早まり、また同時に筋肉の合成も始まります。
そのため、トレーニングで損傷した筋肉を回復したり成長させるためには、適切な栄養の補給が欠かせないのです。

トレーニングの成果を出すためには、筋肉合成が筋肉分解を上回る必要があるため、筋肉合成を速やかに進めるための栄養補給、つまりトレーニング後の食事が重要カギとなります。



トレーニング後に必要な栄養素

トレーニング後には、筋肉の成長に必要なインスリンの分泌を急速に増やす作用がある「炭水化物」、そして筋肉を作るのに欠かせない「たんぱく質」を含んだ食事をする必要があります。

ちなみに、トレーニングでエネルギーを消費した後は脂肪を蓄えにくいので、炭水化物をしっかり摂っても大丈夫です。

たんぱく質、炭水化物の他にも、ビタミンやミネラルなどの栄養のバランスの良い食事を摂るようにすることが大切です。

たんぱく質の分解やエネルギー代謝に必要なビタミンB1やビタミンB2。
コラーゲンの生成を促して筋肉や血、骨などを生成する働きに関わるビタミンC。
これらの栄養素は特に不足しないように注意し、栄養の偏らない食事をするようにしましょう。

基本的には同じ食材ばかりを食べるのではなく、多くの食材を使ったバリエーション豊かな料理を、毎日メニューを変えて食べるようにするといいでしょう。


食事のタイミング

トレーニング後、30分以内にたんぱく質と炭水化物を含んだ食事を摂るのが理想的です。
トレーニング直後の30分は、筋肉を成長させる大きなチャンス。

特に、たんぱく質の豊富な食品を使った料理か、筋肉の分解を抑えて筋肉の合成を促すプロテインは必ず摂取するようにしましょう。
これにより、筋肉を成長させる効果を最大限に発揮し、トレーニングの成果を出しやすくすることができます。


たんぱく質を多く含む肉類


牛ヒレ肉(輸入牛) 133kcal/100g タンパク質 21.3g

筋肉を回復させたり、タンパク質の合成に役立つ亜鉛も多く含まれる食品です。
ただし、和牛は脂質が輸入牛の3倍以上になるケースもあり、その場合カロリーが2倍程度に膨れ上がることもあるので、ダイエット中の摂取には気を付けるようにしましょう。

豚ヒレ肉 115kcal/100g タンパク質 22.8g

肉類の中でも特に多くのビタミンB1を含む食品です。ビタミンB1は糖質を素早くエネルギーに変える働きをし、また疲労回復の効果もあります。脂質も非常に少ないため、ダイエットが気になる時も気にせず食べられます。

豚もも肉 183kcal/100g タンパク質 20.5g

豚ヒレ肉と同様にビタミンB1が多い食品です。
ただし、脂肪がやや多くカロリーも高めなので、ダイエット中の摂取は控えめにしておいた方が良いかもしれません。

鶏むね肉(皮を除く) 108kcal/100g タンパク質 22.3g

安価でタンパク質たっぷり、特にお手軽なオススメ食品です。
ビタミンB6が多く含まれているので、タンパク質の代謝や脂質の代謝を助け、筋力を発達させたり脂肪燃焼を促してくれる効果も期待できる優秀な食品です。
ただし、皮の部分には脂質が多くそのままだとカロリーが高いので、必ず皮を取り除いてから食べるようにしましょう。

鶏ささみ 105kcal/100g タンパク質 23g

ダイエット向きの食品としてよく知られる鶏のささみ。
実は皮を取り除いた鶏むね肉とカロリーはほぼ一緒です。
鶏むね肉よりかなり多い量のビタミンB6が含まれる他、疲労回復に効果のがあるナイアシンも多く含まれます。
 
たんぱく質を多く含む魚介類
 
 

サバ 203kcal/100g タンパク質 20.8g

安価で栄養豊富なサバ。
入手や調理が難しい場合はサバ缶でも問題ありません。
サバには不飽和脂肪酸が多く含まれているので、血中コレステロールや中性脂肪を減らしたり、血流を良くしたりする効果があります。
動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞の予防にもなるので、積極的に摂取したい食品です。
 

サケ 133kcal/100 タンパク質 22.3g

安価でタンパク質を多く含み、不飽和脂肪酸も豊富に含まれます。
骨や歯を丈夫にしたり、糖尿病予防、免疫力の向上など、健康増進や生活習慣病予防にも役立つ食品です。
 

タラ 77kcal/100g タンパク質 17.6g

魚の中でもダントツに低カロリーなタラは、ダイエット中には特にオススメです。
 

マグロ(赤身) 125kcal/100g タンパク質 26.5g

高タンパクで、筋トレ後の食事にピッタリな食品です。
ナイアシン、ビタミンD、ビタミンB6、ビタミンB12が多く含まれるので、脂肪燃焼や筋肉の発達、疲労回復、生活習慣病予防など、さまざまな健康効果が期待できます。

エビ 82kcal/100g タンパク質 18.4g

低カロリーで高タンパクなエビは、ダイエット中にオススメの食品です。
ただし、エビフライなど調理方法によってはカロリーが跳ね上がるので、蒸したものなどを食べるようにしましょう。
 
 

ダイエットしながらボディを引き締めたい場合

筋肉を鍛えて体を引き締めつつダイエットしたい場合は、高タンパクで低カロリーなメニューをチョイスしましょう。
①和食
焼き魚、煮魚、刺し身、牛ヒレ肉の焼き肉、豚もも肉の生姜焼きなど。

②洋食
鶏もも肉のステーキ、リゾット、ハムサンドなど。

③中華
中華料理は高カロリーなものが多いので、ダイエット中は要注意です。量を減らしたり、チンジャオロースや八宝菜、麻婆茄子などの野菜メインのメニューを選びましょう。エビチリなども低カロリーです。

ジムでトレーニングをした後や、作るのが面倒な時は外食することもありますよね。そんなときも、目的に合わせたメニューをチョイスすれば、トレーニングをムダにすることがありませんね。

2016年11月2日水曜日

感染症予防のために免疫力を上げる食品

こんにちは
理学療法士のSAKURAです。

先日、インフルエンザの予防接種に行ってまいりました。
これからの時期は感染症に注意をしなくてはなりませんが、高齢者の方々も予防接種を予定されている方は多かったです。

今回、感染しても重症化しないように、あわよくば罹らないように、栄養で免疫力を上げることが出来ないかと調べてみました。

高齢者の方々や小さなお子様も、免疫力が少ないと感染症に罹りやすいので、是非試してみてください。



ウイルスや病原菌が体内にはいってきても、必ずしも病気になるとは限りません。それは、体内にある白血球、マクロファージ、NK細胞が協力し合って異物をやっつけ、感染するのを防いでくれるからです。
                        
だから、免疫力を高めるには、白血球などの細胞がいつも元気に働けるよう、細胞の酸化(老化)を防ぐことが大事。



大根

 

抗酸化食品はいろいろありますが、これからの季節なら大根がイチ押しです。辛み成分であるイソシアシアネイトに抗酸化の働きがあり、皮との間に多く含まれているので、よく洗って皮ごと食べるのが○。
また、大根はジアスターゼなどの消化酵素も豊富。食べたものを速やかに消化し、効率よく吸収する助けをし、効率よく吸収する助けをし、代謝のアップにも役立ちます。
ただし、これらの成分は熱に弱いので、『大根おろし』がおすすめメニュー。ほうれん草やトマトを加えると、抗酸化力がトリプルになり、さらに強力!




長いも

 

長いものヌメリに含まれるムチンは、たんぱく質の分解を助ける成分。たんぱく質は細胞の材料となる栄養素なので、免疫力を高めるためには、毎日きちんと補給する必要があります。

長いもは、そのほかにも多くの消化酵素を含み、食べ物の消化吸収をよくし、新陳代謝を上げるので、昔から“精がつく食べ物”といわれてきました。
最近では、抗酸化成分を含むこともわかっています。

こういった長いもの成分を100%生かすには、すりおろさないことが大事。
『長いものせん切り』は昔からある定番メニューですが、良質のたんぱく質を含む鶏肉を混ぜれば、免疫力はさらにアップ。
抗酸化成分を含むのりを散らし、同じく抗酸化の働きがあるわさびを混ぜて、風味よく、ピリリと辛くするのもおいしいもの。お酒の肴にもピッタリです。



鶏肉

 

鶏肉はもとよりたんぱく質が豊富で、しかも低脂肪という優れた食品です。
さらに最近、アミノ酸の一種であるカルノシンアンセリン抗酸化抗力があることがわかり、これらを含む鶏肉はますます注目株。
たんぱく質を効率よく利用するために、たんぱく質の代謝をよくするビタミンB2と合わせて食べましょう。
たとえば、中華の『鶏のカシューナッツ炒め』はナッツにビタミンB2が豊富なのでおすすめ。同じくビタミンB2が多いきのことの炒めものは、家でも簡単につくれるメニューです。




ヨーグルト



よく「腸内環境」という言葉が使われますが、免疫力を高めるためにも、善玉菌であるビフィズス菌を増やし、腸内環境を整えることが必要です。それによって、消化吸収をよくし、基礎体力をアップさせることができます。

ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、腸内でビフィズス菌を増やす働きをし、便秘の解消にも役立ちます。ヨーグルトにはカルシウムやたんぱく質なども豊富なので、毎日積極的にとりたいもの。

バナナを加えると食物繊維がプラスされて整腸作用が強まり、りんごを加えると抗酸化作用が加わって、よりヘルシーに!




小松菜


冬になると青々としてくる小松菜は、緑色の成分であるクロロフィルビタミンA・C・Eを含む、強力な抗酸化食品です。
そのうえカルシウム鉄分などのミネラルも豊富なので、免疫力アップのためだけでなく、骨粗鬆症や貧血が気になる女性には、とくに積極的にとることをおすすめします。


小松菜は、ほうれん草のようにアクがないので、下ゆでしたり、水にさらしたりする必要なし。サッと炒めるだけで食べられます。

免疫力を高めるためには、良質のたんぱく質を含む、卵や鶏肉などと組み合わせるのがベター。油を使うことで、ビタミンA(カロチン)の吸収もよくなります。


小松菜を粗みじん切りにしてご飯と炒め、溶き卵を混ぜて、塩、こしょうで調味する『小松菜のチャーハン』や『小松菜と卵の炒めもの』も手軽にできるおいしいメニューです。




納豆



納豆などの大豆製品には、イソフラボンという、胃がんを予防する成分が含まれており、これが強い抗酸化力をもっています。体内にはいると、女性ホルモンに似た働きをし、代謝をよくする効果もあります。
また、納豆にはビタミンK2も含まれており、カルシウムが骨に沈着するのを助け、骨を丈夫にします。骨を健康的に維持することで、基礎体力がアップします。


納豆は手軽なうえ、植物性たんぱく質も豊富。免疫力アップのためには、毎日でもとりたい食品。よくかき混ぜて、ネバネバにして食べましょう。

もともと消化のいい食品ですが、たんぱく質の消化吸収を助ける長いもと組み合わせるとさらにベター。ともにネバネバ同士で、味の相性もピッタリです。





梅干



梅干しは昔から薬効の多い食品として知られていますが、有効成分の1つがクエン酸。代謝をよくすることで疲労を予防・解消し、元気な体を維持します。

もう1つの有効成分は、梅干しを焼くことで生まれる特効成分。まだ詳しいことはわかっていませんが、これには強力な抗酸化作用があり、免疫力をアップすること間違いなし。


梅干しをアルミ箔に包み、オーブントースターで、ちょっと焦げ目がつく程度に焼きましょう。そのまま食べてもおいしいですが、お茶に入れて飲むと、お茶に含まれるビタミンもとれて、さらに効果大。
疲れているときの疲労回復にも役立つので、毎日の習慣にするとGOOD!




ニラ


免疫力を高めるには、体内にはいった栄養素が、エネルギーとして効率よく燃える必要があります。
エネルギーの素である、糖質の代謝に不可欠な栄養素はビタミンB1。そのビタミンの働きを助けるのが、にらに含まれている、硫化アリルという成分。


だから、「硫化アリル+ビタミンB1+糖質」の組み合わせがベスト。
ビタミンA・C・Eの抗酸化力も免疫力を高めます。
外食なら『にらレバ定食』がイチ押し。家でつくるなら、にらを卵でとじた『にら卵』にご飯をつけましょう。『にらと豚肉の炒めもの』+ご飯もおすすめ。




にんにく


にんにく特有の匂いも、硫化アリルが含まれています。硫化アリルは加熱しないほうが、より強力に作用するので、『にんにくのしょうゆ漬け』をつくりおいてはいかが。にんにくをしょうゆに漬けて、1週間から10日置くだけ。にんにくの臭みが消えるので、生でもおいしく食べられます。

これをスライスして、サラダやカレーの仕上げに入れたり、使い方は自由自在。

豚肉など、ビタミンB1を含んだ素材と合わせるとベター。
しょうゆのほうも、つけダレに使えます。