こんにちは
通所介護で機能訓練指導員をしていますSAKURAです。
先日、私が理学療法士であるということで、「転倒予防教室」なるものを地域の高齢者の方を中心に開催させていただきました。
約2時間の時間をいただきましたが、なかなか大変でした(汗)
講習やセミナーで活躍されている同職種の方は本当にすごいなと感じました。
分かり易く伝えることはもちろん、退屈しないように楽しい雰囲気を作ることなどまだまだ反省ばかりでした。
今回は「転倒予防教室」で使った内容をまとめたいと思います。
①転倒する場所
高齢者の場合、屋外よりも屋内での転倒が圧倒的に多くなります。
自宅で転倒した場所は庭が最も多く、次いで居間・茶の間・リビング、玄関・ホール・ポーチ、階段、寝室と続き、ここまでが全体の10%以上でした。
しかし自宅を大きく室内と庭に分けると、室内での転倒のほうが多くなります。とくに年代が上がるにつれ、室内での転倒の比率が高くなります。
②転倒の原因
よく、言われることは
筋力低下です。
リハビリ目標を聞いても、ケアマネが立てる目標にしても、「足腰の筋力を鍛えて、転倒しないようにする」と言った文言をたくさん見てきました。
確かに、筋力低下によって転倒のリスクは高くなりますし、高齢者の方は " 老化 " とともに筋力が落ちてくるのは非常に分かり易い流れです。
筋力低下が転倒リスクに非常に大きく影響しているでしょう。
しかし、筋力が少なそうな人でも安定して歩かれている人はいます。逆に筋力がありそうな人でもよく転んだりしています。
「筋力低下=転倒」とは言えそうですが、一概に、「転倒=筋力低下」とは言い切れず、他の原因もあると思います。
その次に考えられることは
表在・深部感覚の低下です。
老化に伴って、感覚受容体の減少や感度の低下
また、皮膚の柔軟性低下や皮膚の肥厚により、さらに感度は低下します。
触れられている感覚(触覚)を感知するマイスナー小体は、手のひらや足の裏に多数存在しています。
若年者と比べると高齢者は70%も減少してしまいます。
足の裏からの情報は非常に重要で、私たちは靴の中に小石が入ると、違和感を感じて小石の存在に気付きます。靴を脱いで小石を取り除こうとひっくり返すと、思っていたよりも更に小さな小石が出てきた経験もあるかと思います。
そのくらい、足の裏からの情報は敏感に働いて、地面の状況などを伝えてくれています。
そのセンサーが若い頃と比べると30%しか働いていないのは、転倒のリスクに繋がります。
表在感覚といわれる、触覚・痛覚・圧覚・振動覚・温度覚とともに、
深部感覚である、運動覚・位置覚も低下しているため、立位・歩行は不安定となります。
感覚の部類に入りますが、視覚も非常に重要です。
高齢者になると、光の透過性は20%以下に落ちると言われており、暗い場所での視力障害が著明に現れます。
薄暗い部屋の中
夜、トイレに行こうと目覚めて歩く廊下・部屋の敷居
段差に気付きにくく、転倒リスクを高めます。
高齢者の場合、複数の疾患を治療中の方も多く、服薬状況も転倒に影響します。
血圧降下薬や睡眠導入剤、抗ヒスタミン剤、睡眠導入剤、抗精神病剤など
めまいやふらつき、脱力感、倦怠感などが副作用であります。
高齢者の場合、副作用が出易くなることも特徴ですので、服薬状況も確認し、医師に相談してください。
これまでの原因としてあげたものは、内的要因ですが、外的要因(環境)も転倒リスクを高めます。
屋内の段差や台所や洗面所のフロアカーペット、家電製品のコンセント、これからの時期だとコタツの敷布団や掛け布団は足を引っ掛けやすく転倒原因となります。
また、スリッパなども躓きやすくなります。
このように、筋力低下だけでなく、様々な原因が考えられます。
筋力だけが原因ではなく、複数の原因が影響しあって、転倒リスクを高めていると考えたほうが良いでしょう。
今回あげた原因の中には、すぐにでも解消してリスクを減らせる部分もあると思います。
次回は、予防を中心にまとめたいと思います。
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