こんにちは
通所介護で機能訓練指導員をしています。理学療法士のSAKURAです。
朝晩の冷え込みが厳しくなってきて、利用者から「夜中に、こむら返りになった。」と言われることも多くなりました。
夜間、もしくは朝方にこむら返りになる高齢者は結構多いように感じます。
寒くなってきたこの時期から、だんだんとこむら返りになる高齢者も増えてきていますので、原因と対処法、予防法方を考えました。
こむら返り(腓返り、こむらがえり)とは、「腓(こむら)=ふくらはぎ」に起こる筋痙攣の総称で、「(足が)攣(つ)る」とも言われる。特に腓腹筋(ふくらはぎ)に起こりやすいため、腓腹筋痙攣と同義とみなすこともある。他にも指・首・肩などもこの症状と類似した状態になる場合がある。
原因
①疲労
筋肉内に疲労物質である乳酸が一定以上蓄積されると、筋痙攣を起こします。
筋肉内へのエネルギー供給が間に合わなくなり、代わりに疲労物質が蓄積されていきます。
激しい運動や水泳などで足が攣るのは、疲労による筋痙攣が考えられます。
②栄養(主にミネラル)不足
カルシウムやマグネシウム、ナトリウム、カリウムといったミネラル分や、ビタミンB1やタウリンといった栄養素が不足していると、筋肉や神経が興奮しやすくなったり、疲労しやすくなったりするため、足が攣ることが多くなります。
体内のナトリウムイオンやカリウムイオンなどの電解質のバランスが崩れて、筋肉の異常収縮や痙攣を引き起こすと言われています。
対処法
こむら返りが起きた場合は、ふくらはぎにある下腿三頭筋(主に腓腹筋)が収縮している状態です。
ですので、腓腹筋を伸張させれば、痛みは軽減されます。
腓腹筋が伸びる姿勢は、膝を曲げず(膝関節伸展位)に つま先を上に持ち上げた(足関節背屈位)です。
足の指を反らすことで、足底腱膜から足の後面にかけて伸ばすことが出来るので、痛みが軽減しやすいです。
ただ、このように説明しても 「痛くて動けないからそんなこと出来ない」 と言われることがほとんどです(汗)
寝ているときは、膝を伸ばしてつま先が下を向いている(底屈)状態で腓返りが起こりやすいので、
お勧めの対処法は、 " 膝を曲げて(膝関節屈曲)から、つま先を上に反らす(足関節背屈) " です。
膝を曲げると足の後面の筋膜も緩みます。ですので、つま先を反らしやすくなります。
こむら返りの痛みを軽減させるには、つま先を反らすことが重要です。つま先を反らしやすくするために、膝を曲げてみてください。
痛くて動けないと思いますが、ここは我慢して膝を曲げてください。
あと、寝ている向きを変えて、 " 足を壁に着ける " という方法もあるみたいですね。
つま先を上にして、足の裏を壁に沿わせると、つま先が上を向く状態を作れます。
痛くても我慢して、方向転換できる方はこちらでも良いかと思います。
予防法
まずは疲労がたまらないように、ストレッチやマッサージをして血液の循環をよくすること。
ミネラル不足とならないように、水分補給をこまめに行うこと。
これからの時期、涼しくなると喉の渇きが感じにくくなります。夏場と比べると水分の摂取量も少なくなると思いますので、夏場と同じくらい水分は摂取してください。
夜間のトイレに目覚めるのを嫌って、水分摂取をためらう方も多いと思いますが、しっかりと水分を摂ってください。
あと、これから寒くなってくると体も冷えやすくなります。「頭寒足熱」ではないですが、足元が冷えると血液の循環も悪くなり、こむら返りも起こりやすくなります。湯たんぽ的なもので足元を温めるようにしてください。
病院に受診すると、漢方薬の「芍薬甘草湯」を処方される方も多いと思います。
(ツムラの68番で覚えている患者さんもたくさんいました)
芍薬甘草湯でかなりの方が改善するので、こむら返りで悩まれている方は、受診して医師に相談してみてください。
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